忘れそうな秘儀(マッディヤ・パラーシャリの基本法則)

      2018/06/23

KNラオ先生の以下の著書で紹介されている技法のうち、基本法則として紹介されているものの、日本では半ば秘儀扱いで忘れられていそうなものをピックアップした。

3行でまとめ

・出生図において月が在住するナクシャトラから数えて3・5・7番目のナクシャトラを調べよ、そのナクシャトラを支配する惑星のダシャーは困難な時期である
22番目のドレッカナの支配星に注目せよ、その支配星は凶星として振る舞う
・月が在住するナクシャトラから数えて23番目のナクシャトラ(支配星)も良くない



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マッディヤ・パラーシャリ(Madhya Parashari)とは

著者不明。ラオ先生著書には、パラーシャラの弟子が「ブリハット・パラーシャラ・ホーラ・シャーストラ」(Brihat Parashara Hora Shastra、BPHS)のエッセンスをまとめたものではないかといわれている、と書かれている。

このようなまとめ的な小冊子は他にも「ラグー・パラーシャリ」(Laghu Parashari)があるが、マッディヤ・パラーシャリの著者は、「ラグー・パラーシャリ」が取りこぼした重要な論点を強調したかったのでは、とラオ先生は推測している。

検索したら英訳版は以下のリンクからpdfで閲覧できた。

(リンク先:Madhya Parashari - astrovidya

出生図の月から3・5・7番目のナクシャトラ

これらのナクシャトラを支配する惑星のダシャーは困難な時期。

もし寿命計算の結果がそのダシャーを指しているなら、そのダシャーに死をもたらすこともある。

9つのナクシャトラを1セットとして3サイクル繰り返される。

以上から、ヴィムショッタリ・ダシャーにおいてどのマハーダシャーが要注意なのかを知ることができる。

英語版だと多分この第6節。「マーラカとしてみなす」となかなか刺激的なことが書いてある。

6. Loads of the Vipat, Pratyari and Vadha Stars have been considered in Jataka Shastara as Marakas. 3rd, 5th 7th stars from the birth star are called respectively Vipat, Pratyari and Vadha stars.

以下のように一元表でまとめてみた。

- サイクル1 サイクル2 サイクル3
ナクシャトラ No. 3 5 7 12 14 16 21 23 25
アシュヴィニー 1 3 5 7 12 14 16 21 23 25
バラニー 2 4 6 8 13 15 17 22 24 26
クリッティカー 3 5 7 9 14 16 18 23 25 27
ローヒニー 4 6 8 10 15 17 19 24 26 1
ムリガシラー 5 7 9 11 16 18 20 25 27 2
アールドラー 6 8 10 12 17 19 21 26 1 3
プナルヴァス 7 9 11 13 18 20 22 27 2 4
プシャー 8 10 12 14 19 21 23 1 3 5
アシュレーシャ 9 11 13 15 20 22 24 2 4 6
マガー 10 12 14 16 21 23 25 3 5 7
プールヴァ・パールグニー 11 13 15 17 22 24 26 4 6 8
ウッタラ・パールグニー 12 14 16 18 23 25 27 5 7 9
ハスタ 13 15 17 19 24 26 1 6 8 10
チトラー 14 16 18 20 25 27 2 7 9 11
スーヴァーティ 15 17 19 21 26 1 3 8 10 12
ヴィシャーカ 16 18 20 22 27 2 4 9 11 13
アヌラーダ 17 19 21 23 1 3 5 10 12 14
ジェースタ 18 20 22 24 2 4 6 11 13 15
ムーラ 19 21 23 25 3 5 7 12 14 16
プールヴァ・アシャーダ 20 22 24 26 4 6 8 13 15 17
ウッタラ・アシャーダ 21 23 25 27 5 7 9 14 16 18
シュラヴァナ 22 24 26 1 6 8 10 15 17 19
ダニシュタ 23 25 27 2 7 9 11 16 18 20
シャタビシャー 24 26 1 3 8 10 12 17 19 21
プールヴァ・バードラパダ 25 27 2 4 9 11 13 18 20 22
ウッタラ・バードラパダ 26 1 3 5 10 12 14 19 21 23
レーヴァティ 27 2 4 6 11 13 15 20 22 24

上記表を、出生図に在住するナクシャトラの支配星ごとにまとめた表が以下の通り。

支配星 3番目 5番目 7番目
ケートゥ 太陽 火星 木星
金星 ラーフ 土星
太陽 火星 木星 水星
ラーフ 土星 ケートゥ
火星 木星 水星 金星
ラーフ 土星 ケートゥ 太陽
木星 水星 金星
土星 ケートゥ 太陽 火星
水星 金星 ラーフ

22番目のドレッカナ

これは比較的知られているはず。

かんたんな調べ方は、ホロスコープ作成ソフトでD-3を出力し、その8室の支配星を見ればよい。

例えば、将棋棋士・藤井聡太七段のD-3はやぎ座ラグナなので、8室支配星は太陽となる。

また、ホロスコープ作成ソフトによっては22番目のドレッカナを教えてくれるものもある。

23番目のナクシャトラ(支配星)

月が在住するナクシャトラから数えて23番目のナクシャトラ(支配星)も良くない。

原書では上述の22番目のドレッカナと合わせ、次のようにマーラカ扱いとしている。

7. The Loads of the 2nd and 12th counted from the sign where in the Moon is posited in the birth chart; the Load of the 22nd decanate (Drekkana) from the decanate the rising sign falls and also the 23rd asterism from the asterism under which the birth has taken place - these four too have been considered as Marakas.

例によって表にまとめてみる。

出生時の月のナクシャトラ 23番目のナクシャトラ
No. ナクシャトラ 支配星 No. ナクシャトラ 支配星
1 アシュヴィニー ケートゥ 23 ダニシュタ 火星
2 バラニー 金星 24 シャタビシャー ラーフ
3 クリッティカー 太陽 25 プールヴァ・バードラパダ 木星
4 ローヒニー 26 ウッタラ・バードラパダ 土星
5 ムリガシラー 火星 27 レーヴァティ 水星
6 アールドラー ラーフ 1 アシュヴィニー ケートゥ
7 プナルヴァス 木星 2 バラニー 金星
8 プシャー 土星 3 クリッティカー 太陽
9 アシュレーシャ 水星 4 ローヒニー
10 マガー ケートゥ 5 ムリガシラー 火星
11 プールヴァ・パールグニー 金星 6 アールドラー ラーフ
12 ウッタラ・パールグニー 太陽 7 プナルヴァス 木星
13 ハスタ 8 プシャー 土星
14 チトラー 火星 9 アシュレーシャ 水星
15 スーヴァーティ ラーフ 10 マガー ケートゥ
16 ヴィシャーカ 木星 11 プールヴァ・パールグニー 金星
17 アヌラーダ 土星 12 ウッタラ・パールグニー 太陽
18 ジェースタ 水星 13 ハスタ
19 ムーラ ケートゥ 14 チトラー 火星
20 プールヴァ・アシャーダ 金星 15 スーヴァーティ ラーフ
21 ウッタラ・アシャーダ 太陽 16 ヴィシャーカ 木星
22 シュラヴァナ 17 アヌラーダ 土星
23 ダニシュタ 火星 18 ジェースタ 水星
24 シャタビシャー ラーフ 19 ムーラ ケートゥ
25 プールヴァ・バードラパダ 木星 20 プールヴァ・アシャーダ 金星
26 ウッタラ・バードラパダ 土星 21 ウッタラ・アシャーダ 太陽
27 レーヴァティ 水星 22 シュラヴァナ

これらの技法の使いかた

自分なら以下のように使う。

・ある惑星のPACを見て特に傷ついていない場合でも、その惑星が上記技法に該当していた場合、ネガティブ材料に算定する
→ この傷を見落とすと、「うまくいく」という予言が外れる可能性がある

・ホロスコープが示す寿命に応じて、重み付けを変える
→ ホロスコープが長寿を約束していれば軽めに、そうでないならば重めに判定する。
→ その人の加齢に応じて重みを少しずつ増やす。増え方のイメージは比例ではなく指数関数(生まれたばかりは傾きゼロ、死期間際に傾き無限大)。
→ マーラカは生まれた時から死をもたらす存在ではなく、その人の死期が近づいた時に死をもたらす。死期が近くなければ、病気やケガなどのトラブルの形で発現するという考え方。

・「これら技法で示された惑星はマーラカである」というフレーズに過度に反応しない
→ あの惑星もこの惑星もマーラカと言われれば誰だって気が滅入る。ラオ先生も「マーラカ」とは直接的に言わず、「その惑星のマハーダシャーは基本的にあまりよくない」くらいの表現にとどめているし、なによりクロスチェックをせずに拙速に結論を出すべきではないと戒めている。
→ どんなホロスコープでもPACの精査が前提、これら技法の適用はその後

終わりに

ホロスコープ調査の際、個人的にこの要素を忘れることが多かったので記事にしてみました。もし良ければ参考にしてください。

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